どういった事業領域で、事業開発を行うかということは
非常に重要なテーマだと思います。
顧客の課題をみつけ、
その課題解決に事業開発を行う当事者が強い意志を持つことができるかどうかが
出発点となることは当然ですが、そもそもその事業領域のビジネスが
成長するかどうかいうことも、当然みておく必要があります。
上場企業のIR情報からマーケットの成長性を把握する
上場企業の開示情報から、その市場の成長性などを把握し、
取り組みを検討する市場を選定することができます。
JPX(日本取引所グループ)のサイトを調べると、
2021年6月16日現在で上場会社は、3,769社存在します。
- 第一部:2,194社
- 第二部:473社
- マザーズ:358社
- JASDAQスタンダード:662社
- JASDAQグロース:37社
- Tokyo Pro Market:45社
です。
ちなみに2020年の1年間に上場した企業数は103社。
同期間に上場を廃止した企業数は、41社でした。
上場企業は、
業績をコーポレートサイトにて開示しているので、その情報を元に、
上場企業が事業を行っている市場が成長しているのかどうかを調べることが可能です。
投資家が投資を行う判断の資料となる有価証券報告書は、
決算の3ヶ月後に発表されます。
また、企業の決算結果をなるべく早く投資家に知らせるために、
決算短信というものを企業が作成し、広報しています。
広報時期は、四半期業績の締め日から45日以内の提出が義務付けられています。
こういった資料の中に、
当該会計年度の実績と前会計年度の実績が記載されています。
有価証券報告書記載の過年度実績は数年の実績が記載されていますので、
経年で傾向を掴むことが可能です。
ユニクロや楽天のクリエイティブを支援している
クリエイティブ・ディレクターの佐藤可士和さんが何かのテレビ番組で、
デザインをする時は、数千のアイデアを出すということをおっしゃっていました。
時間の許す限り、調査をしたほうがベターであることは言うまでもありません。
こういったデータのなかで、事業開発で取り組む領域をどのように
評価するかですが、初期検討としては、
- 市場の成長性:成長率
- 事業の収益性:売上高営業利益率
- 投資回収のしやすさ:初年度投資額(仮説)
- 人員の確保のしやすさ:対象事業を経験している人がいるか
- シナジー:もっているアセットを活用できるか
といった観点でみていくと良いかと思います。