少し前にはなりますが、一緒に働く人に薦められ、
橘玲氏の著書「事実vs本能」を読んだので、
感想を書いておきます。
自分たちが普通に感じていることと事実が異なる
本の中で、著者は日本の社会は、
一定以上の数的・論理的問題に対応できるスキルを持っていることを
前提に成り立っていて、偏差値60を平均とする社会となっている。
これはどういう意味かというと、社会の中心にいる人達は高学歴層で、
自分たちを基準としている。
そして、それは、実態と大きくずれていると述べ、
いくつかの事例、例題をだし、その内容を理解して、回答ができる人は
何%(少ないと解釈できる数字)だという事実を提示。
全ての市民が政治的な主張を理解し、判断できることを前提としている民主主義は、
危機に陥っているのではないかといったことを主張されています。
「自分たちが普通に感じていること」の基準は、
著者の言葉どおり、自分であり、
事実を確認すると、その基準や、
普段行っている解釈が変わるということがこの本を読むと良くわかります。
自分の解釈は、解釈であり、事実とイコールではないということ。
何らかの問題解決を図る際には、
事実と解釈を分けるということが効果的であり、
そうしないと、解決方法が間違う可能性がある。
つまりそれは、問題の特定を間違ってしまうということを意味します。
日本人にとってのタブー
また、本のなかでは、
日本人にとってのタブーについても触れられており、
虐待や宗教、死刑制度などがテーマとしてあげられています。
テーマとしてあげられているものは、
たしかにセンシティブなものであり、
それぞれの内容に対して、偏ったものも含めて様々な意見がありそうですし、
そのテーマに対して、自分自身が意見をもっているわけでも、
自分が何らかの事実を知っているわけでもないので、
個別のテーマに対しての記述は避けますが、
報道等で耳にするニュースなども、
その背景にある事実とセットで報道されているわけでなく、
日本独特の本能、解釈というものがあるだという前提で、
情報にふれることが大事なんだなという感想をもちました。
「事実vs本能」面白かったので、お勧めです。