ビズる

上場ITベンチャーで取締役として働く筆者が、主に経営戦略や事業開発、組織マネジメントなどについて考えを語るブログ

【コスト削減】コスト削減戦略の検討、実行

企業が持続的に成長を継続していくためには、自社で利益を創出し、

その利益による再投資にて、成長を継続していくことが必要です。

利益を創出するためには、コストを見直し続け、不要なコストは

削減していかなければいきません。

コスト削減戦略の検討、実行について、まとめます。

 

対象となるコストデータをまとめる

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最初のステップは、削減・効率化の対象となる

コストデータの整備です。部署ごとに使用する費用を管理しているケースが

ほとんどかと思いますが、そのデータと経理データが一致していないことは

よくあります。経理データをもとに、

  • 「どこの」の外注先から
  • 「なにを」
  • 「いくらで」
  • 「どれだけ」
  • 「どのような条件」

で購入をしているのかということを整理していきます。

 

経理データは、※仕訳のローデータをもとに、

一定金額以上のものをエクセルやスプレッドシートで整形し、

対象データとする形が良いかと思います。

 

※仕訳

複式簿記において、発生した取引を貸借の勘定科目に分類すること

ja.wikipedia.org

どのような用途の費用なのかについては、経理部門が

補助科目を設定していると思うので、その分類をみながら、

実際に費用を使っている部門に確認をして、用途を特定していきます。

 

コスト削減アプローチ方法の検討

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次のステップは、削減アプローチ方法の検討です。

選定をした対象コストに対して、どのようなアプローチをしていくのかということを

決めていきます。

  1. 必要性の有無を検討
  2. 購入量を減らすことができるのかどうか
  3. 購入単価を下げることができるのかどうか

1.必要性の有無については、当たり前ではありますが、その費用を本当に使用する必要があるのかどうかを検討します。

 

2.次に購入量です。本当にその購入量が必要なのかどうか。最近では利用IDごとに費用が課金されるサブスクリプションのサービスも増えてきており、サービスを利用していない従業員のIDが課金されているケースなどはよくあります。購入量が正しいかどうかについては、定期的に見直すもしくは、購入量を減らせるトリガーに応じて、購入量を見直すということが大切です。

 

3.購入単価を下げることができるのかどうかについては、以下のようなアプローチが

あります。

 a.外注しているものを内製化することでコストを下げられないか

 b.別の外注先に発注することでコストを下げられないか

 c.外注先との価格交渉でコストを下げられないか

 

a.内製化によるコスト削減は、本来自社でやるべきことをやれなくなるという

ことは避けなければなりませんが、外注費用は外注先の利益がのった

価格で発注を行っているので、自社でもその業務をやることができるのであれば、

費用を削減できるかもしれません。

 

b.外注先の変更については、定期的に検討します。

検討をする新しい外注先にとって、自分たちは新しい顧客であり、

既存の取引先をリプレイスをして、新しく取引を行うために、

価格を下げてでも取引をしたいと考えるかもしれません。

その内容をもって、既存の取引先と価格交渉をすることもできるので、

取引先は固定化させるのではなく、常に変更可能性を探っていくことが

大切です。

 

c.外注先との価格交渉は、

①ベンチマーク企業との比較

②外注先のコスト構造を推察し、価格交渉

③発注ボリューム、契約方法、時期の見直し

 

といった手段があります。

 

①はb.外注先変更で説明したとおり、必ず相見積をとって、

価格交渉を行う方法です。

 

②外注先のコスト構造を推察した価格交渉については、

顧客のコスト構造や競争環境等の業界構造などを加味しながら、

原価を推定、もしくはオープンにしてもらい、原価を下げる努力や

粗利額などを一定水準に抑えるように交渉するようなやり方です。

 

③発注ボリューム、契約方法、時期の見直しについても、

コスト削減の有力な手段です。例えば、契約などを短期の契約から

長期の契約に変更することで、価格を抑えられたりすることも

あるので、契約内容を精査したうえで、外注先とも相談をしてみましょう。

 

 

コスト削減の交渉は、買い手と売り手のどちらが力をもっているかに

よって、成果が大きく変わります。交渉が優位となるように、

戦略的に準備をすることが大切です。