企業が持続的に成長を継続していくためには、自社で利益を創出し、
その利益による再投資にて、成長を継続していくことが必要です。
利益を創出するためには、コストを見直し続け、不要なコストは
削減していかなければいきません。
コスト削減戦略の検討、実行について、まとめます。
対象となるコストデータをまとめる
最初のステップは、削減・効率化の対象となる
コストデータの整備です。部署ごとに使用する費用を管理しているケースが
ほとんどかと思いますが、そのデータと経理データが一致していないことは
よくあります。経理データをもとに、
- 「どこの」の外注先から
- 「なにを」
- 「いくらで」
- 「どれだけ」
- 「どのような条件」
で購入をしているのかということを整理していきます。
経理データは、※仕訳のローデータをもとに、
一定金額以上のものをエクセルやスプレッドシートで整形し、
対象データとする形が良いかと思います。
※仕訳
複式簿記において、発生した取引を貸借の勘定科目に分類すること
どのような用途の費用なのかについては、経理部門が
補助科目を設定していると思うので、その分類をみながら、
実際に費用を使っている部門に確認をして、用途を特定していきます。
コスト削減アプローチ方法の検討
次のステップは、削減アプローチ方法の検討です。
選定をした対象コストに対して、どのようなアプローチをしていくのかということを
決めていきます。
- 必要性の有無を検討
- 購入量を減らすことができるのかどうか
- 購入単価を下げることができるのかどうか
1.必要性の有無については、当たり前ではありますが、その費用を本当に使用する必要があるのかどうかを検討します。
2.次に購入量です。本当にその購入量が必要なのかどうか。最近では利用IDごとに費用が課金されるサブスクリプションのサービスも増えてきており、サービスを利用していない従業員のIDが課金されているケースなどはよくあります。購入量が正しいかどうかについては、定期的に見直すもしくは、購入量を減らせるトリガーに応じて、購入量を見直すということが大切です。
3.購入単価を下げることができるのかどうかについては、以下のようなアプローチが
あります。
a.外注しているものを内製化することでコストを下げられないか
b.別の外注先に発注することでコストを下げられないか
c.外注先との価格交渉でコストを下げられないか
a.内製化によるコスト削減は、本来自社でやるべきことをやれなくなるという
ことは避けなければなりませんが、外注費用は外注先の利益がのった
価格で発注を行っているので、自社でもその業務をやることができるのであれば、
費用を削減できるかもしれません。
b.外注先の変更については、定期的に検討します。
検討をする新しい外注先にとって、自分たちは新しい顧客であり、
既存の取引先をリプレイスをして、新しく取引を行うために、
価格を下げてでも取引をしたいと考えるかもしれません。
その内容をもって、既存の取引先と価格交渉をすることもできるので、
取引先は固定化させるのではなく、常に変更可能性を探っていくことが
大切です。
c.外注先との価格交渉は、
①ベンチマーク企業との比較
②外注先のコスト構造を推察し、価格交渉
③発注ボリューム、契約方法、時期の見直し
といった手段があります。
①はb.外注先変更で説明したとおり、必ず相見積をとって、
価格交渉を行う方法です。
②外注先のコスト構造を推察した価格交渉については、
顧客のコスト構造や競争環境等の業界構造などを加味しながら、
原価を推定、もしくはオープンにしてもらい、原価を下げる努力や
粗利額などを一定水準に抑えるように交渉するようなやり方です。
③発注ボリューム、契約方法、時期の見直しについても、
コスト削減の有力な手段です。例えば、契約などを短期の契約から
長期の契約に変更することで、価格を抑えられたりすることも
あるので、契約内容を精査したうえで、外注先とも相談をしてみましょう。
コスト削減の交渉は、買い手と売り手のどちらが力をもっているかに
よって、成果が大きく変わります。交渉が優位となるように、
戦略的に準備をすることが大切です。