戦略を考え、実行することは、事業運営そのものでもあります。
競争優位性について、少し整理してみます
特徴を重ね競合優位性を高める
競合との差別化が重要ということは、よく世の中的に言われることですが、
戦略の大家と呼ばれているリチャード・P・ルメルトさんは、
良い戦略 悪い戦略という著書のなかで、
そういった、自社のサービスや商品独自の特徴を単体ではなく、鎖のように重ねることで、競合優位性を高めることができると言われています。
著書の中で、IKEAの例がでてくるのですが、IKEAは、
- 駐車場を完備した巨大な店舗を郊外に展開
- 店員は少なく、カタログが充実
- 家具はパックでき、運送費、保管量が少なくて済む
- 店内に在庫があるので、顧客は待つ必要がない
- 家具のデザイン自前、製造は外注
- ロジスティクスは、自社で管理
といった特徴をもち、
それぞれの特徴を鎖構造のように重ねることで、
競合優位性を高めており、競合がどれか一つを真似たとしても、
IKEAには勝つことができないと書いています。
様々な情報が溢れ、
だれでもその情報にアクセスできる現在において、
競合との差別化は簡単なことではありませんが、
小さな特徴を戦略的につなげていくことで、
競争優位性を高めるという考え方は、
様々な事業にて、参考にできるものではないでしょうか。
特徴をつなげるために必要な組織のケイパビリティ
一つ一つの特徴をつなげるためには、
商品やサービスを担当する事業また、事業に所属するメンバーが
一体となっていることが重要だと思います。
例えば、組織のなかで、複数のサービスを扱っている場合、
それぞれのサービスは自分たちの事業が成長できるように賢明に戦略を練って、
その戦略を実行します。
一方で、自分たちの隣の事業の成長のために、
自分たちのサービスがどのようにあるべきか?といったことを考えることは、
相当意識をもっていないと、
スコープに入ってこないということが普通だと思います。
自分たちのサービスを成長させることにいっぱいで、
隣の部署のサービスを考える時間も余裕もないということは普通のことで、
これ自体が悪いとはいえません。
だからこそ、サービスごとのシナジーをつくるといったことを意識し、
一体となって自社の成長を考えられるケイパビリティを持つことが求められるのです。
そういった組織は強く、
シナジーを競争優位性につなげることができる組織なんだと感じます。
そういった組織をつくっていきたいですね。