会社売却、事業売却のM&Aにおいて、
仲介会社(もしくは、自社のM&A担当)に業務をお願いすることに決めたものの、
候補企業がどのように提案をしているのかということがみえなかったり、
進捗管理方法が分からないというような悩みは、
多くの企業が抱える悩みではないかと思います。
本日は、M&Aプロセスのマネジメント方法を3つ紹介します。
- 提案プロセスをKPI化し、プロセスをマネジメントする
- 提案状況、顧客の反応を日次で仲介会社から共有をうける
- 価格の目線をはっきり伝え、目線以下の価格の場合は、交渉を進めない
1.提案プロセスをKPI化し、プロセスをマネジメントする
事業のKPIマネジメントと同様に、提案プロセスをKPI化し、
マネジメントを行ってみてはいかがでしょうか。
このやり方によって、提案状況が見える化され、
プロセスの課題を数字でとらえることができるようになります。
自分の場合は、
- 候補先企業数
- IM(Information Memorandum)提示企業数
- 面談実施数
- LOI(Letter of intent)受領数
という4つの項目で、目標を設定し、
期限から逆算した営業進捗日数と、
各指標の目標達成率を比較して、課題があった場合は、
その課題をつぶすということをしています。
「○社程度からLOIをもらいましょう」という目標設定をしていながら、
「結果、1社しかもらえませんでした」となってしまうことは多々あることです。
こちらでも書きましたが、
売却価格をあげるためには、複数の候補先と並行して、交渉を進めることは必須です。
LOIを複数社から受領するためにも、
提案プロセスのKPIマネジメントを行うことをオススメします。
2.提案状況、顧客の反応を日次で仲介会社から共有をうける
日次のKPIマネジメントと一緒に、
定性的な情報をレポートしてもらうようにしましょう。
特に、IM提示時や面談実施時の反応を把握しておくことは非常に重要です。
これは2つの目的があり、
1つ目は、その反応に応じて、追加の情報提供等を行い、
次のプロセスに進む可能性を高めること。
2つ目は、その反応を他の候補先の提案に利用したり、
類似企業を候補先リストに追加したりするという目的です。
候補先の反応をもとに、自分たちの提案を変えていくという姿勢が大切です。
3.価格の目線をはっきり伝え、目線以下の価格の場合は、交渉を進めない
世の中に全く同じ会社、同じ事業というものは存在せず、
様々な技術、方法を使ってそれっぽい価格ははじきだせますが、
最終的には、いくらで売りたいか、
またいくらで買いたいかという意思が重要になります。
一方で、仲介会社さんにせよ、自社のM&A担当にせよ、
ディールを進めている当事者は、多少の価格調整で取引が進むようであれば、
なんとか取引をすすめたいと考えるものです。
彼らに対して、価格の目線感を伝え、その目線を外れる場合は、
交渉は進めないということを、はっきり伝えましょう。
交渉がかなり進んだ段階で、実は価格の目線がそろってなかったということでは、
交渉自体が時間の無駄になってしまいます。
何らかの事情で期限が決まっている場合は、
その値段で売却をしなくてはいけなくなってしまいます。
M&Aプロセスマネジメントの3つの方法について、書いてみました。
少しでも参考になる部分があれば、うれしいです。