ビズる

上場ITベンチャーで取締役として働く筆者が、主に経営戦略や事業開発、組織マネジメントなどについて考えを語るブログ

M&A仲介会社の選び方

株式譲渡、事業譲渡において、高い価格を望むには、

複数の候補企業と並行して交渉を進めることが重要です。

バイサイドとしては、相対で交渉を進めるほうが有利にはたらきます。

 

複数の候補企業と交渉を進める場合、自社だけで進めることは難しく、

仲介会社やファイナンシャルアドバイザーを利用する形になります。

仲介会社の選び方についてまとめます。

 

比較検討のポイント

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会社や事業の規模が大きい、もしくはニッチであるなど、

条件によって検討ポイントが変わってくるかと思いますが、

自分の場合、どのようなポイントで会社を比較検討したかについて書きますと、

 

  1. 成約実績
  2. 買い手候補先へのリーチ
  3. 手数料の算定方式
  4. 担当チーム・担当メンバー

の4点で比較、検討しました。

 

1.成約実績

単純に実績が豊富な会社かどうか?です。

数としての実績当然確認する必要がありますが、

検討しているディールの想定候補先企業に近い会社との実績があるか、

具体な会社名や業種、規模などを確認します。

 

2.買い手候補先へのリーチ

仲介会社が、どういった企業にリーチができている会社なのかを確認します。

これは、担当者にリストを出してもらうと良いでしょうか。

この際に注意したいのは、

単にリストとして候補先が多いかどうかではなく、

候補先企業のことを分かっているかどうか、

コミュニケーションを取れているかどうかです。

 

リストを提出してもらう際に、

その企業のM&Aの方針や現状などを記載してもらい、比較検討します。

外部に出ていない情報を記載しているような会社は、

候補先企業にしっかりとコミュニケーションをとっていると解釈できます

 

3.手数料の算定方式

固定報酬や、固定報酬+成功報酬、成功報酬。

また成功報酬も一定割合やレーマン方式など、仲介業者によって様々です。

 

それぞれの方式については、

ぐぐると色々でてくるはずですので、ご確認くださいませ。

 

価格交渉は必須です。

M&Aは、多大な金額になるため、その手数料も高額になります。

私見ですが、売る商品(会社や事業)がなければ、

仲介会社は収益を得る機会がありません。

売り手の手数料交渉には、応じてくれる可能性があるので、

必ず比較検討し、交渉も行いましょう。

 

4.担当チーム・担当メンバー

最後に担当チーム、担当メンバーです。

仲介会社さんは、M&Aの価格に一定の手数料率を乗じて、収益を得ます。

つまり、売主と同じく、価格が高くなればなるほど、

仲介会社さんの手数料も高くなります。

 

一方で、取引が成立しなければ、

仲介会社の収益はありません(着手金や固定報酬は別)。

 

取引をまとめるために、価格の目線を下げる担当者さんよりは、

野心的に高い価格でのディール成立を狙う担当者のほうが、

自分は望ましいと考えます。

 

以上、仲介会社の選び方4点について、書いてみました。