現在役員を務める会社にて、次の会計期間で使用する計画、
予算の作成をはじめるタイミングであり、必要なポイントを簡単にまとめました。
MECEに考えたものではありません。
1.目標設定の考え方について、関係者で合意をする
事業として、目指したい目標と、その数字がもつ意味について、関係者で合意をとっておくことが重要かと思います。主に確認をしておきたい点は、
a.事業として、その数字を達成するということは、どのような意味を持つのか
b.目標達成の難易度
です。
a.についてですが、その目標を達成した場合、
事業のメンバーがどのような達成感を得られるのか。
その数字の意味付けをすることが、計画を作成するうえで、
何よりも重要だと思います。
事業に関わるメンバーがその目標の達成をイメージしたときに、
ワクワクするような、目標でなければ、いけません。
利用してもらえるユーザーの数や、マーケットにおけるシェア、
競合およびベンチマーク企業との比較などは、
シンプルでメンバーにも伝わりやすい指標です。
b.については、経営と事業ボードメンバーで
その目標達成の難易度について、目線を揃えておくということです。
いったん目標が決まると、達成難易度の解釈に関わらず、
達成すべきものであり、言い訳は許されません。
だからこそ、関わるメンバーが本気で目指すことができる数字を
目標とすべきであり、その達成難易度について、
コミットできるものになってないといけません。
2.目標と現在の実績とのGAPを確認する
設定した目標と現在の実績を比較し、GAPがどれくらいあるのかを、
定量的に把握することが重要です。
トップラインについては、
直近の会計期間(おおくの場合、進行期の途中で、次の会計期間の予算を確定させる
かと思います)の対前年成長額(もしくは対前年マイナス成長額)と比べて、
今回立てた目標が、どれぐらいの成長額となっているのかを数字で、
把握することが必要です。
事業は、規模が大きくなるにつれて、
成長率をキープするためには、成長額を上げて必要があります。
そのためには、既存顧客の離脱率を下げるか、新規顧客を増やすか、
顧客の利用単価を上げるかなど、
なにかのKPIを伸ばさなければいけません。
その施策の確からしさがなければ、
成長率は、鈍化していく前提にたつというところが、
計画検討のスタートラインです。
3.モデルの作成
KGIを構造化、因数分解し、KPIを設定していきます。
例えば、売上というKGIを社数と1社あたりの単価というKPIに分けるという作業です。
この構造化、因数分解の作業でできるモデルは、
一つではなく、おそらく複数のモデルをつくることができます。
その際に、重要なことは、どのKPIを動かしていくことができるか、
つまり変数となりうるのかということです。
例えば、自分が経営をしている会社は、
企業とユーザーをマッチングさせるプラットフォームサービスを運営
しているのですが、そこのサービスで流通する金額をKGIとしたときに、
KPIは、企業数と1社あたりの単価で分解することもできれば、
ユーザー数と1ユーザーあたりの利用単価で分解をすることもできます。
どちらのモデルを採用するかは、それぞれのKPIでどの指標を動かす、
つまり改善することができそうかによって、決まってきます。
4.KSFの確認
KSFとは、Key Success Factorの略で、成功要因のことです。
KSFを考えることと、3のモデルの作成は、
いったり、来たりしたりするセットの作業になります。
KSFを探す方法としては、なによりも、過去の実績、データを分析すること、
またそのデータを元に、肌感をもって、
企業やユーザーの数を増やせそうなのか、
もしくは単価を上げてくれそうなのかなどをを考えぬくということです。
その変数を変えられるイメージを
簡単にもつことができるぐらいまで考えぬくこと。
また、変えられなかった場合のプランをできるだけ多く、
複数もっておくことが重要かと考えます。
そして、そこまで考えぬけば、あとはやりきるだけです。