ナシーム・ニコラス・タレブ氏が、
2007年に執筆された著書「ブラックスワン」
この本で書かれている黒い白鳥が、まさに2020年にやってきています。
新型コロナウィルスによる経済影響
2020年4月現在、新型コロナウィルスの影響により、
世界は非常に厳しい状況に追い込まれています。
また、こういった状況になることを、誰が予想したでしょうか。
中国の国家統計局が発表したGDP(国内総生産)は、
前年同時期比で-6.8%と統計発表を開始してから初めてのマイナス成長に。
また、4月23日に日本政府が発表した景気判断は、
「急速に悪化しており、極めて厳しい状況にある」としました。
悪化という文言を使うのは、10年11ヶ月ぶりのようです。
状況を鑑みると、4月以降の実績は、更に悪い数字になりそうです。
2020年に入り、
24,000円まで上昇した日経平均株価は、4月23日時点で、19,500円を割り、
NYダウ平均株価は、23,822$、52週高値と比べると、
-20%程度のダウンとなっています。
七面鳥は自分の運命を知らない
ナシーム・ニコラス・タレブ著「ブラックスワン」の中に、
七面鳥の話がでてきます。
どういうことかというと、アメリカでは、11月の第4木曜日、
カナダでは、10月の第2月曜日に、感謝祭という祝日があり、
たくさんの友人や親族があつまり、食事会を行う家族行事となっています。
本のなかでは、そこでふるまわれる七面鳥になぞらえて、
七面鳥は、感謝祭までは、毎日餌をくれる人間になんの敵意ももたず、
幸せな日々を過ごす。
七面鳥自身は、感謝祭の日に起きる自分への不幸を何もしらず、
その不幸がやってきたころには、アメリカにいる七面鳥は、
一気に数が減る結果になる。想像できない不幸や出来事は、
突然やってきて、そして、大きな影響を及ぼすものだと。
著者は、この本のなかで、そのような示唆をしており、
これをブラックスワンと呼んでいます。
まさに、今回の新型コロナも、
ブラックスワンがやってきたと言えるのではないでしょうか。
中国の武漢でウィルスのことが報道されはじめたことには、
現在のような状況になることは、
誰も予想していなかったかと思います。
少なくとも、報道前には、誰もわからなかったはずです。
予想はできないが、備えることはしていこうと思います
リーマンショックのときも、
そして今回のコロナショックもそうですが、ブラックスワンは、予想できない、
個人的には、本当にそう思います。
ただし、予想はできないが、備えることはできるはずです。
例えば、ビジネスや家計においても、
固定費を下げる努力をしておくとか、資産ポートフォリオは、
分散を超意識するなどでしょうか。
かならず、ブラックスワンは、またやってくるので、
今回、起きたことを学習し、未来に備えていきます。