自分の部下となるメンバーのモチベーションを
管理すべきか否か。
組織コンサルティングを提供しているサービスのなかには、
モチベーション・マネジメントこそ組織管理の肝だと
述べているサービスもあれば、
絶対に避けるべきと言っているようなサービスもあり、意見は様々です。
ハーズバーグの職務満足に関する研究
アメリカの心理学者であるフレデリック・ハーズバーグさんが行った
職務満足に関する研究は、一般的にも良く知られているかと思います。
彼は、職務において、
満足に関わる要因(動機づけ要因)と不満足に関わる要因(衛生要因)は、
別のものであると言っています。
動機づけ要因の例
- 達成
- 承認
- 仕事そのもの
- 責任
- 昇進
- 成長
衛生要因の例
- 会社の制度と管理
- 監督
- 監督者との関係
- 作業条件
- 給与
- 同僚との関係
- 個人生活
- 部下との関係
- 身分
- 保障
この考えに沿って考えたときに、
マネジメントがそもそも、
モチベーション管理を行えるのかということを
少し考えたいと思います。
モチベーション管理・モチベーション・マネジメント
ハーズバーグさんが言う、
動機付け要因のなかで、マネジメントが関与して変えられるものは、
私見では、以下のような感じではないかと考えます。
変えられるもの
- 承認
変えにくいもの
- 達成
- 仕事そのもの
- 成長
変えられないもの
- 責任
- 昇進
承認については、
メンバーにとって承認をされているかどうかを
感じやすいのは、上長からの承認だと思うので、
これについては、変えられる。
ほかについては、
なかなか、難しいのではという印象を持っています。
責任は、
マネジメントが関与するか否かで増減するものではなく、
また、昇進も、成果によってなされるものと考えると、
マネジメントが、変えられるものではないと
捉えて、良いのではないでしょうか。
目標設定とそのプロセス
マネジメントは、メンバーに対して課す仕事やミッションについては、
関与できます。(むしろそれが仕事)
そして、メンバーは、その仕事で成果を出し、
仕事を通じて、自身の成長につながることを感じられれば、
モチベーションが上がっていくはずです。
そのときに、大事なのは目標設定とそのプロセスではないでしょうか。
自分が、過去、マネジメントに関するコンサルタントから
一定期間研修を受けて、実践しているのは、
目標は、明確で定量的に図れる目標を設定するということと、
メンバーが目標を達成するために動くプロセスには
ほとんど関与しないということです。
後者については、違和感を持つ方もいらっしゃるかもしれません。
なぜ、プロセスにほとんど、関与をしないかというと、
関与をすることによって、
メンバーのミッションそのものに対する責任感が薄れたり、
自分自身で苦労をしながら、仕事を成し遂げるという機会を
奪ってしまうことになり、メンバーが結果的に
成長感を得られるにくくなると考えるからです。
関与しないということ、イコール、ほったらかしにするということではないので、
目標までの道筋にいくつか、チェックポイントを設け、
そのチェックポイントで、要求水準に達していない場合には、
再度、達成するまでの方法をメンバー自身に考え、
実践してもらうようにしています。