ビズる

上場ITベンチャーで取締役として働く筆者が、主に経営戦略や事業開発、組織マネジメントなどについて考えを語るブログ

デューディリジェンスにおけるQ&Aシート活用について

バイサイドとして、デューディリジェンスを行う際に、

Q&Aシートというものを活用し、

対象会社に対して、質問を行います。

 

どこの会社も似たようなフォーマットを活用している

Q&Aシートだとは思いますが、

書いている内容は、

買い手や専門家が重要視している論点であり、

回答如何によっては、ディールブレークにつながったり、

価格に大きく影響する重要なやり取りです。

正解というものがあるかどうかは分かりませんが、

参考にしていただけそうな点をいくつかご紹介します。

 

質問の種類を区分する欄を設ける

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デューディリジェンスは、

その調査の視点、切り口によって、

質問内容が多岐に渡ります。

 

そのために、

その質問が主にどういった観点での調査なのかがわかるように、

ラベル付けをしておくと、質問者、回答者双方にとって、

管理がしやすくなります。

 

ラベルの付け方については、

どういった企業を買収検討するかにはよりますが、

一般的なデューディリジェンス項目である、

ビジネス、財務、財務、法務、システムといったもので

区分わけをすると良いかと考えます。

 

また、補助項目として、

質問項目などか、資料提出なのかを明確化すると、

対応する側は、対応コストの想定をしやすいかと思います。

 

Q&Aシートの項目が大量にあると、

対応する側(セルサイド)は、

ポジティブには取りにくく、業務量を考えると、

極力対応をしたくないと考えてしまうことが多くありますが、

実際、現在保有する資料は確証の提出と

新たに対応をしないといけないものを分類してみると、

そこまで対応ボリュームはなかったといったことが

わかったりすることもあるので、質問なのか、

資料提出なのかの明示は非常に大事です。

 

優先順位付け欄を設ける 

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相対交渉にせよ、複数相対交渉にせよ、

交渉には期限が設定され、

その期限に合わせて動くことが一般的だと思います。

 

FAや仲介会社が入っていた場合は、感覚的に、

デューディリジェンスと交渉の期間が

3ヶ月程度で設定されることが多いでしょうか。

 

限られた時間のなかで、蓋然性をもって、

デューディリジェンスを行っていくには、

重要度の高いものから、調査分析を深めていく必要があります。

 

そのために、

Q&Aシートに書く質問項目に優先順位をつけることは非常に重要です。

バイサイド、セルサイドともに、

限られた人数でプロジェクトを進めていくことになるため、

質問項目に優先順位をつけることは、非常に有効です。

 

Q&Aシートを用いたインタビュー

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上記で記載したとおり、

M&Aの検討、交渉期間は、限られたものであり、

その対応にかけられる工数にも上限があります。

 

デューディリジェンスにおいて、対象会社の経営陣や、

重要キーマンに対して、インタビューを行う形になりますが、

インタビュー用に資料を別途準備するのではなく、

Q&Aシートを活用してインタビューを行うことにするほうが、

時間の節約につながりますので、おすすめです。